HRT（ホルモン補充療法）は、エストロゲン（女性ホルモン）欠乏に伴う諸症状や疾患の予防、治療を目的に考案された治療で、エストロゲン製剤を投与する治療の総称です。

特に周閉経期（更年期含む）の女性はエストロゲン欠落、欠乏症状が、個人差があるとはいえ、少なからず現れます。古くからこの治療の有用性は言われていたものの、治療が始まった当初は発癌性という問題が、その後血栓症という問題が話題となってきました。これらを一つずつ検証し、よりよく進化させてきたのが現在の治療です。

確実なメリット（恩恵）と危惧されるデメリット（副作用、リスク）を理解いただき、納得できる状況で治療に臨めるようにサポートいたします。

いくつか当院のHRT治療の特徴をあげていきます。

・エストロゲン製剤は　経皮製剤　を基本としています。　

　＊動脈性疾患、血栓症のリスクを上げないため　　

　＊当院ではジェル製剤、テープ製剤、黄体ホルモンも含有されたパッチ製剤を用意しています。

・子宮のある方は　黄体ホルモン製剤　を併用します。　

　＊子宮内膜癌の発生予防のため

　＊当院では天然型の黄体ホルモンを基準としていますが、合成型の黄体ホルモンもございます。いずれも経口投与です。パッチ製剤はエストロゲンも含有されています。

・投与前の検査（婦人科がん検診、採血検査など）を行っています。

・投与中の検査（上記検査）は最低でも年に1回は行っていただきます。

・投与期間は長くとも60歳までとさせていただいています。

・骨粗鬆症検診も可能です。

このほか、疑問に思うことなど気軽にご相談ください。